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埼玉県虐待禁止条例改正案の反対運動・自民党埼玉県議団による撤回騒動の顛末記録2023年10月

埼玉県虐待禁止条例改正案の反対運動・自民党埼玉県議団による撤回騒動の顛末記録2023年10月 子育てライフ
子育てライフ

2023年10月、自民党埼玉県議団が提出した「埼玉県虐待禁止条例改正案」について、日本中を巻き込んで反対運動が起こり、委員会可決された改正案が最終議決前に撤回されるという異例の騒動がありました。

今後の選挙のため、また3年半後となる埼玉県議会議員選挙のため、今回の顛末を忘れないように記事として記録しました。

何かの専門家ではなくこの条例改正に反対した一人の埼玉県の母親の目線・意見なので、異論を持たれる方もいると思いますがご了承ください。

目次
  1. 「埼玉県虐待禁止条例改正案」何が起きたのかざっくり
  2. 埼玉県虐待禁止条例改正案騒動を時系列に(筆者の記録とともに)
  3. 埼玉県虐待禁止条例改正案は誰が作った?誰が賛成した?
    1. 自民党埼玉県議団団長・田村琢実議員(さいたま市見沼区選挙区・5期)
    2. プロジェクト事務局長・小久保憲一議員(比企郡滑川町・嵐山町・小川町・ときがわ町選挙区・4期連続無投票選出)
    3. 埼玉県議会・福祉保健医療委員会メンバー議員
    4. 委員会で賛成に回った公明党は方向転換へ
    5. 改正案に氏名があるのは自民党埼玉県議団58名中52名
    6. 反対していた自民党県議もいる・特定の政党が圧倒的過半数であることが怖い
  4. 「埼玉県虐待禁止条例改正案」全文
    1. 改正案自体には放置・虐待となる定義は書かれておらず全て口頭
  5. 撤回の言い訳会見「安全配慮義務」の説明不足
    1. 団長退任はせず・内容に瑕疵はない・再度の議案提出はゼロベース
  6. 執行部(県職員)・県民・保護者丸投げ改正案 大野埼玉県知事も苦言「議員提案条例のあり方を検討」
  7. 子どもの意思・人権無視の「子育てオペレーション」
  8. こども基本法の順守と非公開パブコメ結果
  9. オンライン署名2件とその後の動き
    1. 埼玉県のワーキングマザー(個人)と賛同するみらい子育て全国ネットワーク・日本大学教授
    2. さいたま市PTA協議会
  10. 埼玉県議選2023は全国最低投票率34.92%、定員93名中58名が自民党、無投票当選は4人に1人
  11. その後①虐待禁止条例改正案に反対した自民県議の除名(2024年3月)
  12. その後②埼玉県立高校の共学・別学問題アンケートに回答しない自民党埼玉県議団(2024年6月)
  13. その後③再び自民党埼玉県議団がこども条例案を作る(2024年7月)

「埼玉県虐待禁止条例改正案」何が起きたのかざっくり

2023年10月、自民党埼玉県議団が提出した「埼玉県虐待禁止条例改正案」について、このような内容であることが報道されました。

  • 小学3年生以下の子どもを自宅や車などに残したまま親が外出することを一律に禁止(小学4~6年生は努力義務)
  • 留守番、高校生のきょうだいに預けての外出、成人の見守りのない集団下校や公園での遊び、おつかいまで「放置であり虐待」として禁止
  • 発見した県民には通報義務
  • 罰則は設けないが、今後罰則を再考する可能性あり

ザワつきが広がりましたが、県民が反対の行動を起こしきる前に、報道2日後の埼玉県議会・福祉保健医療委員会で、自民党公明党議員による過半数賛成でまさかのスピード可決。(それ以外の会派の委員はもちろん反対)

瞬く間に反対運動が起こり、オンライン署名は集まり、SNSでも大騒ぎ、メディアでもネガティブな内容で全国に報道され、埼玉県のみならず日本中でたくさんの方々が行動を起こした結果、

県議会での最終議決を待たず異例の委員会可決後のスピード撤回という、約1週間の騒動です。

撤回当日2023年10日10日の報道ステーションのニュース動画がよくわかります(が、もう見られなくなってしまいましたね)

これがざっくりの内容となりますが、もっと詳しく知りたい方は以下もどうぞ。

埼玉県虐待禁止条例改正案騒動を時系列に(筆者の記録とともに)

この虐待禁止条例改正案騒動を時系列にまとめました。筆者(一人の埼玉県の保護者)の記録とあわせて。

9月23日 筆者が最初に知ったのはこの日のネットニュース
車や自宅に置き去りにされた子どもが亡くなる事案を防ぐというもので、「児童の放置の禁止」の「放置」の定義など詳細は出ていなかったので様子見
まさかこの後こんなことになるなんて…
10月4日(水)埼玉県議会に改正案が提出され、禁止範囲の広さが質疑応答で明らかになる
埼玉県議員の中にも、車内置き去り対策だと思っていた・この日に初めて禁止範囲の広さを知った、という議員がいるぐらいオモテには出ていなかった
18時半ごろのネットニュースで子どもの放置が「一律」禁止と報じられる(筆者は21時前に把握)
10月5日(木)「放置」「虐待」となる具体的な内容が新聞・各社ニュースで報じられる
田村団長のインタビュー動画「留守番も虐待?⇒もちろんです」等もニュースで流れ、自民党埼玉県議団が本当に子どもの留守番全シチュエーションを虐待だと思って改正案を作ってるという、より一層タチの悪い状況が明らかに
反対運動が起こり始める
翌日審議される埼玉県議会・福祉保健医療委員会のため、無所属県民会議(埼玉県議会の一会派)が突貫で修正案提出
10月6日(金)埼玉県議会・福祉保健医療委員会で自民公明の賛成多数により原案通り可決
無所属県民会議の修正案や他会派の提案は否決
県民に有無を言わせないスピード可決
新聞・各社ニュース・報道ステーションでも全国に報じられる
オンライン署名2件開始
2023年10月6日のニュース動画
10月7日(土)~9日(月祝)3連休メディア・ネット、団体や議員、埼玉県内のみならず日本全国、著名人も巻き込んで反対運動
議員さんや詳しいフォロワーさんに伺った「何をしたらいいか」をまとめて拡散しました
上の内容を記事にまとめました。今後似たようなことがあれば使える…!
あの泉房穂 元明石市長がこのまとめ記事を紹介してくださったのがうれしすぎてここに記録
10月10日(火)連休明け13日(金)に予定されていた本会議の最終議決を待たず、自民党埼玉県議団自らが改正案撤回
昼に自民党埼玉県議団の会議、14時~撤回会見
大野知事記者会見
(この日の報道ステーション動画は、この記事の最初の項目に貼っています)
10月13日(金)本会議で撤回が正式承認される
2023年10月13日正式撤回時のニュース動画

埼玉県虐待禁止条例改正案は誰が作った?誰が賛成した?

「埼玉県虐待禁止条例改正案」は誰が案を作った?誰が賛成した?

作ったのは自民党埼玉県議団の「児童虐待禁止法案改正案検討プロジェクトチーム」ですが、主要人物等を詳しく見ていきます。

自民党埼玉県議団団長・田村琢実議員(さいたま市見沼区選挙区・5期)

一番メディアに露出し「留守番は虐待」ほか激しい持論を展開していたのは、自民党埼玉県議団団長である田村琢実議員です。

撤回記者会見も田村団長により行われました。

今回の騒動以前にもメディア等に取り上げられるようなことが数回、今回の撤回直後にも文春砲が2回出てきたりと、なかなか問題がありそうな人物です。(その内容について、筆者にはよくわからない世界で責任も取れないのでこの記事では触れませんが)

この改正案は田村団長が主導したものと取材した記事もあります。

PTのメンバーだった自民県議は「意見交換は活発ではなかった。団長の考えのもと、立案に関わった一部の議員で決まった印象」と振り返る。

撤回の「留守番禁止」条例案、なぜ出てきた? 自民県議団の内部事情(朝日新聞デジタル2023.10.13有料部分より )

プロジェクト事務局長・小久保憲一議員(比企郡滑川町・嵐山町・小川町・ときがわ町選挙区・4期連続無投票選出)

議会への改正案提出時や、埼玉県議会福祉保健医療委員会での審議時に説明をしていたのは、このプロジェクトの事務局長である小久保憲一議員です。

議会提出時には「ひとり親家庭の状況などご指摘されるところではあるが…」と反対の声もわかっていたようです。>>埼玉県議会への提出時動画

委員会では提案者代表として、「前提として放置が禁止されない場所は存在しない。児童の生命・身体などに危険がないこと、すぐに児童の元へ駆け付けることができること、この二つが確保されない限り、放置に該当すると考えている」と答弁をしていました。

これらも「田村議員の指導不足」ということになっており、小久保議員は矢面には立っていません。

同じく埼玉県議会議員だった祖父の地盤を受け継ぎ、4期連続無投票で県議に当選している方です。(選挙として成り立っていない…)

また、この騒動の渦中に、Xで反対の意見を表明している県民(小久保議員に絡みに行ってるわけでもない)をわざわざ検索しリアルタイムで大量にブロックするという、県民の声を聴かない姿勢を見せていました。(暇なの…?)

埼玉県議会・福祉保健医療委員会メンバー議員

この改正案が埼玉県議会に提出された後、まず2日後に行われた福祉保健医療委員会で審議、可決されました。

誰が賛成・反対だったか、わかりやすいポストを共有します。

委員会でも単独過半数である自民党(+公明党)が賛成であれば、他の会派の委員が反対しようと通ってしまいます。この委員会の委員長・副委員長も自民党です。

委員会で賛成に回った公明党は方向転換へ

上の通り、福祉保健医療委員会では、公明党の議員も賛成に回りました。

しかし、批判を浴び(学会員からも相当詰められたのでしょう)、方向転換しました。

埼玉県議会公明党議員団公式サイトより

13日に予算要望のため大野元裕知事を訪ね、(公明党県議団)所属県議らが「仕切り直して県に迷惑をかけないようにする」「子育ての喜びや安心のため、規制ではなく支えていきたい」「委員会ではお騒がせした」と反省を口にした。

県議52人から撤回請求…「虐待禁止条例」案を撤回し、埼玉県議会9月定例会閉会 議員提案の在り方検討へ(埼玉新聞2023.10.13)より

改正案に氏名があるのは自民党埼玉県議団58名中52名

自民党の埼玉県議員だって、全員がこんな極端な思想を持ってはいなかったはずです。

が、実際には自民党埼玉県議団58名中52名が議案に名前を連ね、名前がなかった6名中1名(福祉保健医療委員会メンバー)も委員会では賛成に回っていました。

これらのメンバーを記録しておきます。

氏名があるからと言ってこの改正案に全面的に賛成していたとは限りませんし、氏名がないからと言って必ずしも「反対に回った気骨のある議員」というわけではありません。

筆者は議案の氏名掲載の経緯はわかりませんので、気になる方は議員に直接顛末を聞いてみてください。

ただ、どういう理由だったとしても、この明らかにおかしい改正案に氏名を載せた責任があると思います。

改正案に氏名あり52名
  • 田村 琢実(さいたま市見沼区)
    ※埼玉県議会自民党議員団 団長
  • 藤井 健志(さいたま市大宮区)
  • 関根 信明(さいたま市北区)
  • 荒木 裕介(さいたま市桜区)
  • 高木 功介(さいたま市浦和区)
  • 林 薫(さいたま市南区)
  • 木下 博信(草加市)
    福祉保健医療委員会メンバー
  • 立石 泰広(川口市)
  • 永瀬 秀樹(川口市)
  • 尾花 瑛仁(上尾市・伊奈町)
  • 岡地 優(桶川市)
  • 新井 一徳(北本市)
  • 中屋敷 慎一(鴻巣市)
  • 金子 裕太(鴻巣市)
  • 保谷 武(蕨市)
  • 細田 善則(戸田市)
  • 松井 弘(朝霞市)
  • 岡田 静佳(所沢市)
  • 松本 義明(入間市)
  • 内沼 博史(飯能市)
  • 東山 徹(狭山市)
  • 渡辺 大(ふじみ野市・三芳町)
    福祉保健医療委員会委員長
  • 須賀 昭夫(川越市)
  • 渋谷 真実子(川越市)
  • 小谷野 五雄(日高市)
    福祉保健医療委員会メンバー
  • 武内 政文(毛呂山町・越生町・鳩山町)
  • 小川 直志(坂戸市)
  • 長峰 秀和(鶴ヶ島市)
  • 横川 雅也(東松山市・川島町・吉見町)
  • 小久保 憲一(滑川町・嵐山町・小川町・ときがわ町)
    ※児童虐待禁止法案改正案検討プロジェクトチーム事務局長・福祉保健医療委員会メンバー
  • 新井 豪(秩父市・横瀬町・皆野町・長瀞町・小鹿野町・東秩父村)
  • 阿左美 健司(秩父市・横瀬町・皆野町・長瀞町・小鹿野町・東秩父村)
  • 齊藤 邦明(本庄市・神川町・上里町)
  • 飯塚 俊彦(本庄市・神川町・上里町)
  • 神尾 髙善(深谷市・美里町・寄居町)
  • 小川 真一郎(深谷市・美里町・寄居町)
  • 杉田 茂実(熊谷市)
  • 鈴木 理裕(熊谷市)
  • 柿沼 貴志(行田市)
    ※福祉保健医療委員会副委員長
  • 千葉 達也(加須市)
  • 高橋 稔裕(加須市)
  • 梅澤 佳一(久喜市)
  • 森 伊久磨(蓮田市)
  • 渡辺 聡一郎(白岡市・宮代町)
    福祉保健医療委員会メンバー
  • 白土 幸仁(春日部市)
  • 栄 寛美(春日部市)
  • 浅井 明(越谷市)
  • 宇田川 幸夫(八潮市)
  • 美田 宗亮(三郷市)
  • 逢澤 圭一郎(三郷市)
  • 吉良 英敏(幸手市・杉戸町)
  • 松澤 正(吉川市・松伏町)
改正案に氏名なし6名
  • 日下部 伸三(さいたま市西区)
    ※福祉保健医療委員会では委員会メンバーとして賛成
  • 宮崎 吾一(さいたま市中央区)
  • 高橋 政雄(さいたま市緑区)
  • 小島 信昭(さいたま市岩槻区)
  • 諸井 真英(羽生市)
  • 鈴木 正人(志木市)

氏名を掲載していない羽生市の諸井議員が、自身のYouTubeチャンネルで顛末を語っているのでリンクだけ載せておきます。>>諸井県議のYouTubeチャンネルの動画

反対していた自民党県議もいる・特定の政党が圧倒的過半数であることが怖い

自民党の議員全員が、「県民・市民のためではなく保身に走り党の言うことを聞いている」わけではありません。

自民党埼玉県議団の中にも、「行き過ぎで無理がある」「県内各地で児童虐待とされる事態が続出」「日本一暮らしにくい埼玉になる」と反対していた議員がいたこと、子育て中の親に与える負荷など再考を求める声があったことがニュースで報じられていました。

また、今回の騒動で筆者が「どういった行動を起こしたらいいのか」とXでポストしたら、効果的な動き方をすぐご連絡をくださった自民党の市議の方(さいたま市外)もいました。今回の件でなくても、地域のために力を入れて活動している自民党の市議がいることも知っています。

自民党だから全員良くない、というわけではないんです。

しかし、撤回時に「拙速な審議を反省すべき」と意見された自民党埼玉県議団は反論しました。

今まで議員提出議案は正規の手続きを経て可決されてきた

県議52人から撤回請求…「虐待禁止条例」案を撤回し、埼玉県議会9月定例会閉会 議員提案の在り方検討へ(埼玉新聞2023.10.13)より

そう、だから特定の政党・会派が圧倒的過半数になるのは恐ろしいんです。正規の手続き=数の暴力で、こんなおかしい改正案も委員会を通ってしまいました。

党内の反対派の声も数の暴力で打ち消されています。

自民党が圧倒的過半数であるおごりが今回の騒動を招いた、だから議員個人がどうであれ、これからも自民党に票は入れたくない、と筆者は思ってしまいます。

「埼玉県虐待禁止条例改正案」全文

今回問題になった「埼玉県虐待禁止条例改正案」の全文です。

現在施行されている、2017年に作られた>>埼玉県虐待禁止条例 の改正(追加・一部削除)内容のみ記載されているものです。

自民党埼玉県議団公式サイトより

改正案自体には放置・虐待となる定義は書かれておらず全て口頭

おわかりかと思いますが、この改正案自体には「放置」「虐待」の定義は書かれていません。

議会提出時や埼玉県議会福祉保健医療委員会での小久保議員による質疑や答弁、報道に対する田村団長の受け答えという口頭で、この記事で前述・後述したような「留守番・子どもだけの公園・登下校=放置=虐待」等と定義していることが明言されました。

委員会での小久保議員は具体例は述べず、「前提として放置が禁止されない場所は存在しない。児童の生命・身体などに危険がないこと、すぐに児童の元へ駆け付けることができること、この二つが確保されない限り、放置に該当すると考えている」と説明していました。

田村団長の「留守番・子どもだけの公園・登下校=放置=虐待」は、 >>埼玉県虐待禁止条例 にすでに記載されている虐待の定義や、児童虐待防止法の虐待の定義とも違っている、と指摘もあります。

そのまま可決されていれば、そういっためちゃくちゃな個人的な見解・思想による埼玉県オリジナルの虐待の定義で、埼玉県民は振り回されていたのでしょうか。

撤回の言い訳会見「安全配慮義務」の説明不足

撤回会見では、田村団長の「言葉足らず」「説明不足」だと繰り返されました。

どういうことかと言うと、「安全配慮義務」のことを話し忘れていたというのです。

――安全配慮義務の説明が抜け落ちたのはなぜか。  
◆2017年に虐待禁止条例を制定した時、私どもが一番注意を払ったのが安全配慮義務。今回条例にするときも大前提がここだというところからスタートをした。大前提が当たり前すぎて、抜け落ちてしまった。それが説明不足につながった。

「内容に瑕疵はない」自民埼玉県議団長 虐待禁止条例改正案撤回(毎日新聞2023.10.10)より

実際に現在施行されている>>埼玉県虐待禁止条例 内にある安全配慮義務の条項はこちら。

(養護者の安全配慮義務)
第六条 養護者(施設等養護者及び使用者である養護者を除く。)は、その養護する児童等の生命、身体等が危険な状況に置かれないよう、その安全の確保について配慮しなければならない。
2 養護者(施設等養護者及び使用者である養護者に限る。)は、その養護する児童等の生命、身体等が危険な状況に置かれないよう、その安全の確保について専門的な配慮をしなければならない。
3 児童を現に養護する者は、その養護する児童の安全を確保するため、深夜(午後十一時から翌日の午前四時までの間をいう。)に児童を外出させないよう努めなければならない。

埼玉県虐待禁止条例より

前提としてこの条項があるので、各家庭で例えば以下のような「安全配慮義務」を果たす行動がなされていれば、「ご心配いただいているほとんどは虐待には当たらないと考えている」と田村団長は撤回会見で発言しました。

  • 登下校時に防犯ブザーを持たせている
  • 留守番時に火は使わないなど子どもと約束する
  • 公園で遊ぶときに何かあったら電話するようにと子どもに携帯電話を持たせている
あれだけ虐待認定してたのにね

さらに、

  • 公園で子どもだけで遊んでいる際、それぞれの家庭でどんな安全配慮義務がなされたか周囲は判断できない、だから通報はされないものと考えていた

というわけのわからない言い訳も。

散々、「留守番は虐待」「公園で子どもだけで遊んでいて保護者が近くにいないのはイコール放置であり虐待」「100m先の家に回覧板を持っていくときも子どもと一緒に行った方がいい」「子どもだけの状態は1分でもない方がいい」などと報道陣の前で語っていたのに、無理がある言い訳ですね。

この改正案が可決されてしまった10月6日の埼玉県議会福祉保健医療委員会で、会派の一つである「無所属県民会議」が、安全配慮義務に触れた修正案を提出しましたが、否決されています。

本当に「安全配慮ができていれば放置=虐待ではない」というのであれば、この時に自民党埼玉県議団は説明することができたはずですよね。

「説明不足の田村の責任」という、一刻でも早く火消しをしたいためのシナリオ、後付けの理由であることが誰の目にもわかります。

撤回会見の主な一問一答等詳細は、>>【会見詳報】「子どもだけで留守番禁止」埼玉の条例案取り下げ 「内容は瑕疵なかった」(東京新聞2023.10.10) が詳しいです。

なぜ条例にすでにある安全配慮義務の話が取り払われて、田村団長・小久保議員がそれに反する「留守番=放置=虐待」というような内容を議会や報道陣に明言することになったのか。

筆者にはわかりませんが、こんな記事もありました。やはり田村団長と一部の県議の強い思想によるものだったのかもしれません。

PTのメンバーだった自民県議は「意見交換は活発ではなかった。団長の考えのもと、立案に関わった一部の議員で決まった印象」と振り返る。「短時間でも子どもから目を離すべきではないという理想論を語り、子育て世帯への想像力が欠けていた」

撤回の「留守番禁止」条例案、なぜ出てきた? 自民県議団の内部事情(朝日新聞デジタル2023.10.13の有料部分)

団長退任はせず・内容に瑕疵はない・再度の議案提出はゼロベース

日本中を巻き込む大きい騒動を起こしたも関わらず、田村団長は団長の地位は退かず、解任の処分もされませんでした。

「言葉足らず、説明不足」に過ぎず、「改正案の内容や手続きに瑕疵はなかった」ということになっています。

自民党埼玉県議団による今回の条例改正案についての再度の議案提出はゼロベースということですが、こういった思想の人物を団長に留めておくような会派は信用できません。

もし今後埼玉県議会で子ども関係の施策を検討する場合は、自民党埼玉県議団単独ではなく、少なくても超党派で検討してもらいたいところです。

また、こういった強権的な人物が埼玉県議会の圧倒的過半数である自民党埼玉県議団を率いているという事実、筆者個人的には埼玉県議会自体が信用できなくなりました。
(が、埼玉県議会を変えようとがんばっている他会派の議員のみなさんがいるので見守っていきたいです)

執行部(県職員)・県民・保護者丸投げ改正案 大野埼玉県知事も苦言「議員提案条例のあり方を検討」

朝日新聞デジタルの有料紙面になりますが、10月6日の埼玉県議会・福祉保健医療委員会可決後の田村団長へ報道陣へのインタビューの詳細があります。

>>「留守番も虐待」条例改正案、提出は自民埼玉県議団 団長の発言詳報(朝日新聞デジタル2023.10.9)

書ききれないですが一部抜粋です。(朝日新聞デジタル、初回無料などやってるのでよろしければ全文見てみてください)

  • 回覧板を100メートル先の家に持って行く場合には(子どもも)一緒に行った方がいい
  • マンションで隣の家に行く部分についてはグレーゾーン
  • 条例違反は誰が判断するのか⇒県民に通報義務があるので「適切に周りが対応」
  • もう今議論するところはない
  • 共働きの子どもが家で留守番するのはもちろん虐待、認識を高めていただく
  • 子どもを守るためには親ががんばらなきゃいけない、留守番は危険だと再認識、自分の家庭を見直して意識の改革を
  • 罰則はないが、放置事例が多ければ再考する
  • 通報があれば、県警・県児相・市町村・学校等が現地に行って虐待事案を確認・対処
  • 地域で登下校について考えてほしい。過去の事件の際、集団下校や働いてる親も帰ってきて自宅で子どもを守った、その感覚が常日頃ほしい
  • 放置している段階で虐待だと定めている自民党埼玉県議団の考えと埼玉県執行部の解釈は全くずれない
  • 親による虐待は特異なケースなのでわからない
  • 他会派から修正案が出てきた⇒勝手にいじられるのは心外
  • 子どもだけの状態は1分でもない方がいい
  • グレーゾーン1つ1つ行政が判断
  • これまで出た具体例が今後の禁止事項
  • 公園で子どもだけで遊んでいて養護者が近くにいない状況はイコール放置であり虐待⇒もちろん
  • 「きちっと見守っていく」「きっちりとケアをしていく」「きちっと養護者の方が認識して」「適切に周りが対応」「ケアをちゃんと」「きちっと向き合っていただいて」「執行部でちゃんとしっかりした運営を」

要するに、

「禁止である、虐待である」ということだけ自民党埼玉県議団が定めるから、執行部(県職員)や市町村・保護者・県民等が適切に運用するように

という、とんでもない丸投げです。

田村団長は、この自民党埼玉県議団が考えた虐待事例は執行部ともすり合わせており解釈がずれることはないとまで明言していましたが、

撤回後、埼玉県知事は「改正案の提案時まで、自民県議団側から執行部に、相談や意見を求められたことはなかった」と明かしています。

以下のような報道もあり、発言や反対をできる立場ではない県職員が形だけ自民党埼玉県議団の「児童虐待禁止法案改正案検討プロジェクトチーム」に参加はしていたようですが、自民党埼玉県議団側から執行部に実行するのための具体的な相談をすることはなかったのでしょうね。

自民側からは「9月28日に条文だけが送られてきた」。10月4日の本会議の答弁で初めて、子どもだけの登下校などを禁止行為として考えていると知り、「寝耳に水だった」

子ども放置禁止条例案 批判噴出で異例の撤回「瑕疵ないが説明不足」(朝日新聞デジタル2023.10.10の有料部分)

県の幹部によると、PTには知事部局の担当職員も参加していたという。「自民県議の一部が、子どもだけの登下校や外遊びも虐待にあたると考えていることは知っていたが、本当にそこまで答弁するのかと疑問も多かった」と話す。

撤回の「留守番禁止」条例案、なぜ出てきた? 自民県議団の内部事情(朝日新聞デジタル2023.10.13の有料部分)

今回、埼玉県公式Webサイトの「知事への提案」には、埼玉県内外から反対1005件、賛成2件の意見が寄せられたとのこと。

散々振り回されたであろう(おそらく今までも)埼玉県庁職員のみなさん。

大野埼玉県知事も「議員提案条例のあり方を検討する時期にきているのではないか」と苦言を呈しました。

撤回が最終的に承認された本会議では、議員提案の在り方を各会派で検討する流れになりました。改善が望まれます。

伊藤初美県議(共産)は「拙速な審議を反省すべきだ。今後、議員提出に当たり超党派の作業グループなどを検討するか」と質問し、小島信昭県議(自民)は「今まで議員提出議案は正規の手続きを経て可決されてきた」と反論。議員提案の在り方は各会派で検討されることとなった

県議52人から撤回請求…「虐待禁止条例」案を撤回し、埼玉県議会9月定例会閉会 議員提案の在り方検討へ(埼玉新聞2023.10.14)

子どもの意思・人権無視の「子育てオペレーション」

今回の改正案では、「共働き、ひとり親、複数の子どもがいる家庭は順守できない」「親の負担が…」「女性の社会進出が…」「条例の前に学童や子どもの居場所を」というもっともな反対意見がよく出ましたが、

しかし1人っ子の専業主婦家庭だって無理ですし、その前に、外出すらままならなくなる人権侵害です。

筆者が一番おぞましく感じたのは「子どもに意思がある」とすらわかってないんじゃないか?というところでした。

24時間大人に監視されて「安全を守られている」ことを、子どもが望んでいる?

小学3年生以下だったときの自分、まだ記憶が残っていますが、「友達と公園で遊ぶときは大人と一緒にじゃないとだめ」って言われたらどうです?私は嫌です。子どもたちだけの世界があったはずです。

うちの子だって3歳から「おかあさんはあっち行ってて!」と一人で子どもたちの輪の中に入ろうとしていました。(さすがに遠くから見守りますが)喜ばしい成長です。

健やかなはずの成長・自立が許されない、子どもたちを見守るんじゃなく監視して通報する社会、どっちが虐待なんだと寒気がします。

学童が整備されたとしても、「学童には行きたくない、家で一人で留守番してゆっくりしたい」という意思を持つ子もいるでしょう。

親がスーパーに行くのも、病気の下の子を連れてウイルスの危険がある病院に行くのも、少しの間留守番することも許されず、引きずってでも連れて行く…!?

規則を作れば子どもを大人の言う通り動かせると考えている、子どもの意思や人権を無視している人間にしか考え付かない内容です。

これは、田村団長が撤回会見でも下の撤回の声明でも繰り返していた「子育てオペレーション」と言う文言にも表れています。

とても不快な言葉です。保護者自身発信の自虐である「ワンオペ」とはまた意味が違います。

【県議団】埼玉県虐待禁止条例の一部を改正する条例(案)にかかる声明について(自民党埼玉県議団公式サイト)より

また、子どもを保護するはずの親自身に虐待されている子どもは、24時間親の監視から逃れられなくなるの?

田村議員は「親による虐待は特異なケースなのでわからない」と、念頭にもありませんでした。「留守番も虐待」条例改正案、提出は自民埼玉県議団 団長の発言詳報(朝日新聞デジタル2023.10.9有料部分より))

子どもの権利条約など関連する内容はたくさんあると思いますが、筆者は素人なのでここでは触れません。

こども基本法の順守と非公開パブコメ結果

2023年4月に発足したこども家庭庁と同時に、「こども基本法」が施行されています。

その中で、子どもに関する法令を作る際には、子どもや保護者、関係者の意見を聞くよう義務付けられています。

そこを自民党埼玉県議団は、「自民党埼玉県議団のHP上で1か月(2023年7~8月)パブコメ(県民の意見公募)をした」「県内の子ども関連団体にも郵送した(件数不明)」ことでクリアしたつもりでいたようです。(もしくはわかっていなかったのかもしれません)

「自由な意見をもらうため」件数や内容も公開しないことにしている、とひた隠しにしていたこのパブコメですが、>>産経新聞(2023.10.10)「意見公募で寄せられた意見は1件で、改正案に懸念を示す内容」であった報じました。

このパブコメ自体、留守番禁止・公園や登下校禁止なんていう具体例は出さず、車内放置による事故を前面に出して反対意見を出にくくしたものだったのだろうと筆者は推測します。

田村議員・小久保議員はじめ、他の自民党県議も「子どもの立場で」「児童の視点に立ち」この改正案を作ったと発言しました。

脳内児童ではなく、本当にこども基本法が順守されているか、子どもの最善の利益が反映されているものか、こども家庭庁にはしっかり見てほしいし、指導すべきと思います。

オンライン署名2件とその後の動き

埼玉県虐待禁止条例改正案に反対するオンライン署名は、10月6日(金)に2件立ち上がりました。

自民党埼玉県議団による撤回前後もそれぞれ働きかけを行うなど、素晴らしい動きをされていたので記録です。

これらオンライン署名だけでなく、様々な団体・有志・個人が反対の意見表明をしそれぞれのルートで動かれていました。それらすべての動きが撤回につながったものと思います。

埼玉県のワーキングマザー(個人)と賛同するみらい子育て全国ネットワーク・日本大学教授

1件目は、埼玉県の個人のワーキングマザーが立ち上げたもの。最終的に10万4千筆超。

>>10月13日可決予定!STOP! 埼玉県 子どもだけの登下校禁止条例!!

SNS上でも著名人等に拡散され、たくさんの署名が集まりました。

賛同する「みらい子育て全国ネットワーク」と日本大学教授とともに、撤回翌日の11日にこども家庭庁に要望書を提出、会見されました。

子どもたちの人権も奪うような改正案、こども家庭庁にもこれから目を光らせてほしいところなのでグッジョブです。

正式撤回となった13日には、自民党埼玉県議団と田村団長に直接署名や提言書を手渡し、要望を伝えられていました。

こども家庭庁・自民党埼玉県議団への要望の詳細や、会見の内容は以下で。

>>【速報】#埼玉県虐待禁止条例 10万署名の子育て当事者が #自民党 #こども家庭庁 に要望したこと(賛同・同行した日本大学教授による記事)

>>#STOP! 埼玉県 子どもだけの登下校禁止条例!!署名⇒記者会見 怒涛の6日間ルポ(みらい子育て全国ネットワークnote)

さいたま市PTA協議会

数時間遅れた2件目は、さいたま市PTA協議会が立ち上げたもの。最終的に3万筆弱。

>>STOP!10/13可決予定の埼玉県虐待禁止条例改正! 保護者、そして、子どもたちに対しても不利益をもたらします!!

署名は1本にまとめた方がという意見も見かけましたが、「⼦どもの最善の利益」等、1つ目の署名とはまた違う重要な視点を訴えた内容でした。

市内小中学校の保護者に情報共有し、撤回前の9日(月祝)には田村団長に直接面会し意見書を手渡し。
(田村団長からの声掛けだったと会長さんが10月21日のシンポジウムで語っていました。地元さいたま市の団体がオンライン署名まで立ち上げたので焦ったんですかね)

意見書を知事室にも持参したり、会見したり浦和駅前で訴えたりと早くから署名以外の行動も起こし、組織であることの強さを感じました。

PTAが反対運動をすることや、さいたま市PTA協議会の過去の使途不明金問題のことで否定的な意見もありましたが、今回のさいたま市PTA協議会の動きを副会長にインタビューした記事も参考の一つになるかと思います。

>>保護者を震えあがらせた虐待禁止条例。反対の署名活動をした「さいたま市PTA協議会」へのモヤモヤ(AllAbout)

ただこの記事にはモヤモヤする内容もありますが・・・

  • なぜ1つ目の署名の方が集まったのかについては、1つ目だからSNSでも著名人やバズったポストで拡散されたこと、2つ目の署名自体知らなかった、1つ目の署名との違いがわからなかった、1つ署名したから満足という層もいたからと思われ、「PTAにいい印象がないから」ではというわけではないだろう
  • マスコミがさいたま市PTA協議会の動きの方をよく取り上げていたのは、署名以外の行動もしていたこと、個人より組織で動いている方がそれはマスコミとしても取材しやすいと思われ、PTAと名前が付いている「だけ」でありがたがっているわけではないだろう

埼玉県議選2023は全国最低投票率34.92%、定員93名中58名が自民党、無投票当選は4人に1人

埼玉県議会は2023年5月1日に投票が行われており、投票率は全国最低の34.92%でした。

また、無投票当選がこんなに(ピンクの自治体)。

16選挙区・31市町村区(埼玉全体の43%)・埼玉県議会議員定数93名の4分の1である23名が、投票なしに埼玉県議会議員になっています。

埼玉県議選告示 16選挙区で23人が無投票当選(NHKさいたま放送局)より

詳しい方によると、埼玉県議選の選挙区は「1人区・2人区(当選人数)」が多いことから、組織票のある自民党が強い、負け戦と分かっている選挙区に立候補できない、とこういうことになってしまうとのこと。

田村団長のさいたま市見沼選挙区も2人区で、立候補は3名でした。これじゃあ、次回もまた当選しちゃうんでしょうね・・・ 

NHK選挙WEB統一地方選挙2023より

そして埼玉県議会議員定数93名中、単独過半数である58名が自民党の議員です。

この選挙区の分け方がどうにかならないとこの問題は永遠に続くと思うんですが、どうにかならないんですかね・・・。(筆者は詳しくないのでよくわかりません)

だからと言って「何も変わらないから投票行かない」ではなく、絶対投票行きましょう!行かないと子育て世代の声はさらに重要視されなくなってしまいます。

今までより政治を見て、おかしいと思ったら声上げましょう!

埼玉県議選があった2023年に今回の件があったため、次の投票は3年半も後です。今後の選挙も、また次の埼玉県議選の時も絶対忘れない、とネット上に残すため、この記事を書きました。(ああ疲れた)

その後①虐待禁止条例改正案に反対した自民県議の除名(2024年3月)

以下では、虐待禁止条例後の顛末を記録しておきます。

埼玉県虐待禁止条例改正案に氏名がなかった6名のうちの1名、羽生市の諸井 真英 県議が2024年3月15日、「政務活動費に係る誓約に対する違反」があったとして自民党埼玉県議団を除名されました。

前述した、「埼玉県虐待禁止条例改正案に反対した」として自身のYouTubeチャンネルで顛末を語っていた県議です。

諸井氏が参加した勉強会の年会費38万5千円の支出を巡り、支出先企業への確認や本人に対する聴聞から、諸井氏が2023年3月31日付の領収書画像データを計上した際、次年度で処理しなければならない同4月6日入金の正式な領収書が4月24日に発行されたこと、画像データに本来記載されていた「4月6日入金分」という記載が削除されていた事実などを確認した。

政活費の誓約に違反…自民埼玉県議団、諸井氏を除名処分 56人中48人が賛同 諸井氏は18日以降に会見の意向(埼玉新聞20240316)より

除名に賛成したのは自民県議57名中48名。「処分が重すぎる」と反対した県議もいたとの報道あり。

諸井氏は問題となった政務活動費を返還した上で、会見しました。

「今回の本質は、昨年10月に全国を騒がせた虐待禁止条例改正案に団内で唯一反対を表明した私に対し、あら探しをして除名に持っていったというのが真実」

団の現状を「昭和感が漂う腐敗した利権集団。幹部の意向にほかの議員が黙って従う、異論を許さない空気感が支配している」と指摘

“虐待禁止条例”に反対「あら探しで除名」 自民埼玉県議団から処分受けた諸井県議が会見 団の現状「腐敗」(埼玉新聞20240324)より

この件の報道に対し、自民党埼玉県議団は「一部報道において事実と異なる見解が示されている」とし、公式Webサイト上に関係議事録等を掲載し、反論しています。(どの県議が除名に賛成したかの議事録も公表してほしいところですが)

【県議団】諸井真英埼玉県議会議員に対する除名処分について(経緯の報告)(自民党埼玉県議団公式Webサイト)

>>【県議団】諸井真英議員の除名に関する件(2024年3月29日更新 ※動画を追加)(自民党埼玉県議団公式Webサイト)

諸井県議は県議自体は除名されていないので、「自民党に所属している、会派としては無所属の埼玉県議」になりました。

その後②埼玉県立高校の共学・別学問題アンケートに回答しない自民党埼玉県議団(2024年6月)

埼玉県で揺れている、男女別学の一部埼玉県立高校への共学化勧告問題。

共学化に反対の立場の県立高校関係者も多い中、県立高校関係者有志が埼玉県議92名に対し、「共学化に賛成か反対か、どちらでもないか」のアンケートを実施。

結果はこのように、自民党埼玉県議団は57名中54名が回答なし。(報道によると、自民党埼玉県議団で唯一回答した3名は「反対」と回答したとのこと)

なぜこんなに回答していないかというと、虐待禁止条例改正案問題を経てもなお団長の職を辞していない田村団長が共学推進派だからでしょうね。

知事への共学化要望書提出時になぜか同席している、自民党埼玉県議団の田村団長

虐待禁止条例改正案の問題後も、前述の諸井議員の言葉のように「幹部の意向にほかの議員が黙って従う、異論を許さない空気感が支配」が続いているのでしょうね。

いまだこのような体制であり、埼玉県の子どもに関係する問題にも幹部の意向に従うような自民党埼玉県議団が、再び埼玉県の子どもに関する条例を作ろうとしています。(その後③へ)

その後③再び自民党埼玉県議団がこども条例案を作る(2024年7月)

「埼玉県虐待禁止条例改正案」からわずか9か月、自民党埼玉県議団が「こども・若者基本条例」を骨子案をまとめたと、2024年7月3日にニュースが。

県議団は「(昨年の改正案が)間違ったメッセージになったことは反省している。今回の条例案は別で、出し直しではない。子育ての責任を負うのは社会全体というところを前面に出した」としている。

今回の条例案を巡り、自民党県議団は昨年6月にプロジェクトチームを設置。産後うつなどの研究をしている有識者や若者の性教育支援を行う団体、PTAなど約70団体から意見を聴くなどしたという。

「子ども留守番禁止」案で物議 自民・埼玉県議団が新たな条例案(毎日新聞2024年7月4日)より

2024年7月8日から自民党埼玉県議団の公式Webサイトで1か月、パブリックコメント(意見公募)が実施されました。

2024年10月1日、その中間とりまとめが報告されています。

>>【県議団】「埼玉県こども・若者基本条例(骨子案)」に対する、県民(パブリック)コメントの中間とりまとめ報告について(自民党埼玉県議団Webサイト)

埼玉県議会の9月定例会(2024年9月25日(水)~10月16日(水))に提出。条例案は10月16日に採決が行われ、可決されれば10月18日に施行とのことです。


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