さいたま市の保育園に2025年4月入園するための一次利用調整の結果が、2025年2月4日に各家庭に届きました。
さいたま市のWebサイト上のページ「保育所等の一次利用調整(選考)結果について」でも、最新2025年の結果が公表されました。
その結果を、全体・区ごと・年齢別に詳しく見て推測・解説、それぞれの不承諾率を過去にもさかのぼってグラフ化して見ていきます。
こちらは毎年4~5月に公開される最終的な「待機児童」ではなく、秋に保育園申し込みをして2月に結果が出る「一次利用調整」の結果です。
この後は入れなかった人が2回目の申し込みをする二次利用調整もあり、いろいろな数字が除かれていき、最終的な待機児童数となります。
さいたま市保育園2025年(令和7年)一次利用調整結果【全体】
さいたま市の保育園の2025年4月入園のための一次利用調整結果が出ました。
全体を見ていきます。
申込者は前年から37人増、承諾は110人増、不承諾は73人減、前年から大きな変動はないようです。

上の人数から計算した、「不承諾率」の6年間の推移です。不承諾率も昨年から微減で、大きな変動はありませんでした。

2020年に待機児童数全国ワーストになってしまったさいたま市ですが、そこから保育園は急増。不承諾率も下がりました。
コロナ禍が明けて不承諾率も再び上がりましたが、コロナ前ほど多い不承諾率ではありません。
利用申込をしたうちの24.0%(約4人に1人)、2,148人の方が不承諾となっていますが、この人数が4月から路頭に迷うというわけではありません。
この後の二次利用調整で園が決まったり、認可外園に行く人もいます。
また、この不承諾の数字には、転園希望や元々育休延長を希望していた人も多く含まれています。
この後、2025年4月に報告されるであろう最終的な「待機児童数」はおそらくまた「0人」になると思われますが、待機児童数を算出する際に数字から除かれていった方の一部が「隠れ待機児童」となっています。
>>2024年さいたま市の待機児童詳細
さいたま市保育園2025年(令和7年)一次利用調整結果【区ごと】
さいたま市の保育園の2025年4月入園のための一次利用調整結果、区ごとの結果を見てみます。

上の表の人数から、過去にもさかのぼって計算した「区ごとの不承諾率」の6年間の推移(グラフ・数字)です。

西区 | 北区 | 大宮区 | 見沼区 | 中央区 | 桜区 | 浦和区 | 南区 | 緑区 | 岩槻区 | ||
2019 | 39.4 | 29.9 | 30.9 | 35.4 | 26.9 | 21.1 | 33.0 | 35.4 | 28.5 | 34.8 | 2019 |
2020 | 41.8 | 33.1 | 34.5 | 24.4 | 32.5 | 24.4 | 31.2 | 35.6 | 29.1 | 27.2 | 2020 |
2021 | 21.4 | 19.6 | 25.7 | 19.7 | 24.4 | 18.5 | 27.1 | 27.5 | 20.7 | 26.8 | 2021 |
2022 | 26.9 | 21.2 | 19.0 | 22.5 | 17.1 | 14.2 | 22.0 | 14.5 | 23.1 | 25.0 | 2022 |
2023 | 27.2 | 23.9 | 22.6 | 31.2 | 23.8 | 21.5 | 27.2 | 22.6 | 26.4 | 29.6 | 2023 |
2024 | 28.3 | 21.1 | 23.4 | 27.4 | 25.2 | 15.4 | 27.8 | 25.8 | 23.0 | 26.7 | 2024 |
2025 | 24.1 | 24.8 | 24.2 | 29.6 | 21.1 | 18.2 | 23.8 | 25.9 | 20.6 | 23.3 | 2025 |
区と言っても広いですし、駅近・駅遠、自分の指数や条件、新しいマンション・宅地開発で周辺の状況は変わるので、ご参考程度に。
区ごとで気になったことは以下です。
再び不承諾ワースト、見沼区
2024年4月、さいたま市北部地域には認可園・小規模園が多数開園しました。
>>2024年の新規開園マップ
そのかいもあってか(?)見沼区の不承諾率は2024年少し下がっていたのですが、それでもまだ「認可園開園の準重点地域」として、「見沼区南中丸・南中野・中川・東新井の一部(鉄道駅から距離がある大宮第三公園の南東側一帯)」の認可園新設が募集されていました。
2025年4月には該当地域に認可園が2園(定員42名・60名)、東大宮にも小規模園ができる予定であり、これでさらに不承諾率が下がると思ったのですが・・・
>>2025年の新規開園マップ
なぜか2025年再び不承諾率が上がり、10区でワースト、29.6%となってしまいました。
去年より申込者が25人増、その分を吸収できませんでした。(不承諾28人増、承諾3人減)
不承諾率が減ったのにまたも増、北区
北区も同様に、2024年4月の認可園・小規模園の多数開園もあってか不承諾率が下がっていました。
2024年の不承諾率は10区で2番目に低かったのですが、今回2025年、10区中一番の急増、不承諾率10区中3番目となってしまいました(21.1%⇒24.8%)。
申込者は去年と同じ850人なのに、不承諾が32人増えています。
認可園整備の重点地域・西区は不承諾率が下がる
2024年不承諾率ワーストであった西区は、認可園整備の重点地域になっています。
「西大宮駅南口概ね500m内」で事業者募集されていましたが2025年4月にはできず、指扇駅の北側で幼稚園から認定こども園への移行がありました。(保育所部分定員72名)
そういった効果もあったのか、不承諾率は大幅に減りました(28.3%⇒24.1%、申込者は去年からほぼ変わらず不承諾は32人減)が、不承諾率が低いわけではないので、再び2026年の西大宮南口への開園に期待です。
南区は需要を吸収しきれず不承諾率高止まり
公立園3園が2026年度末閉園する予定である南区。
昨年のような不承諾率増はなく横ばい(25.8%→25.9%)ですが、10区中不承諾率2位と、高止まりです。
南浦和・武蔵浦和周辺は、2025年4月に認可園が1園開園(60人定員)、幼稚園の認定こども園移行が1園(保育所部分定員132名)あります。2024年4月にも大きい認可園1園が開園していました。
それでもさらに需要が増え、申込者は10区中1番多い、去年から114人増。その全員を吸収はできず、去年より承諾は82人増、不承諾も32人増でした。
再開発分譲マンション施設内の年度途中新設情報は現在なし
まだまだ再開発が続くさいたま市。
さいたま市では100戸以上のマンションを建てる際には、市との事前協議(保育施設・放課後児童クラブ・送迎保育ステーションなどの設置を要請)を必須としていますが、「要請」なので強制力はないところです。
2024年夏に大宮駅前と武蔵浦和駅前にできた大型の分譲マンション複合施設(各522戸・277戸)には、年度途中に認可保育園が新設される情報が2月に公開されていましたが、2025年のこういった年度途中開園の情報はまだ出ていません。
再開発される浦和駅前も、525戸のマンションが2026年10月入居開始予定になっています。
浦和区は不承諾率が昨年より大幅に減りましたが(27.8%⇒23.8%)、また不承諾率が上がらないように、このマンションにももちろん認可保育園の設置を期待します。
(正直、保育園より学童の方が心配…。浦和駅周辺の小学校は、放課後を学校敷地内で過ごす「放課後子ども居場所事業」の対象校になるのかな >>さいたま市の学童の現状)
ファミリー世帯の流入が全国1位、9年連続となっているさいたま市。2030年までは保育園需要が増え続けると試算されています。
さいたま市保育園2025年(令和7年)一次利用調整結果【年齢別】
さいたま市の保育園の2025年4月入園のための一次利用調整結果、年齢別の結果を見てみます。

上の表の人数から、過去にもさかのぼって計算した「年齢別の不承諾率」の7年間の推移(グラフ・数字)です。

0歳児 | 1歳児 | 2歳児 | 3歳児 | 4歳児 | 5歳児 | |
2019 | 19.1 | 37.3 | 38.7 | 31.6 | 34.7 | 39.7 |
2020 | 18.9 | 36.8 | 41.7 | 29.6 | 32.9 | 40.7 |
2021 | 14.5 | 29.0 | 30.1 | 16.4 | 25.2 | 28.3 |
2022 | 14.6 | 21.3 | 31.1 | 14.4 | 23.6 | 25.2 |
2023 | 15.4 | 27.5 | 36.4 | 24.6 | 33.6 | 38.6 |
2024 | 13.9 | 25.0 | 43.5 | 20.2 | 38.3 | 37.6 |
2025 | 12.2 | 24.1 | 36.9 | 25.0 | 42.7 | 44.9 |
転園希望や育休延長を希望する人も含まれている数字
これら一次利用調整の不承諾の数字には、転園希望や育休延長を希望している人も含まれています。
特に0,1歳は育休延長したい層、1歳以上は転園したい層もそれなりに含まれていそうです。
特に2歳児は、小規模園⇒認可園への転園希望が多いことが推測されます。
再掲します↓↓
年々不承諾が減る0歳児
育休を長くとりやすい職場が増えたのか、0歳児での申込者は少しずつ減っており(2020年2,380人→2025年2,131人)、一時利用調整での0歳児の不承諾率も年々減っています。
申し込みが一番多い1歳児の不承諾は減少してきているが隠れ待機児童も多い
0歳児での入園をしない人が多くなった分もあるのか、一番申し込みが多い1歳児は年々申込者が増えています。(2020年3,548人→2025年3,951人)
1歳児の一次利用調整時の不承諾率は減ってきていますが、それでも24.1%。母数が多いので不承諾の人数も多いです。
このあと2次募集で決まったり、転園希望が叶わなかった方は元の園に通ったり、認可外園に通ったり、育休を延長したりと様々に分かれていきます。
今後4月に出る数字では「待機児童0」となると思われますが、「隠れ待機児童」に近い数字は例年半数以上が1歳児。
現在も >>保育園の利用が決定していない1歳児を対象にした期間限定保育 が設定されているくらいなので、厳しい状況に置かれる方もまだまだいます。
引き続き不承諾率が高い2歳児
2歳児の不承諾率は、2024年は待機児童全国ワーストだった2020年より高かったくらいですが、2025年は少し落ち着きました。
それでも2歳児の不承諾率は高く(36.9%)、その中には小規模園⇒認可園への転園希望が叶わなかった数が含まれるにしても、今後隠れ待機児童となって厳しい状況になる方も一定数います。
2025年は3歳児~5歳児の不承諾が大幅増
2025年特筆すべきは、0~2歳の不承諾率は下がっているのに、3~5歳の不承諾率は大幅に上がっていることです。
0~2歳クラスよりは一次利用調整後に空きがある園が多いので、例年この後二次募集等でどこかの園には入れている方が多い印象ですが、
そうは言っても通える範囲の園には限りがあるので、今後4月に出る待機児童の数字では、3歳~5歳の隠れ待機児童の数が増えるかもしれません。

●さいたま市の保活関係記事はこちらにまとめています!
入園が決まったら!おすすめ記事
まとめ
今回は、さいたま市の保育園の2025年一次利用調整の結果を、全体・区ごと・年齢別に推測・解説、それぞれ不承諾率のグラフ化もして見ていきました。
一次利用調整で承諾された方、保活お疲れ様でした!職場復帰に向けてラスト育休楽しんでください!
不承諾通知だった方は、二次利用調整、一歳児を対象にした定期保育の申し込みがあるので、焦らず保育コンシェルジュ等に相談しつつ進めていってください!
お気づきの点がありましたらコメントいただければ幸いです