小1の壁にもなる学童問題。今保育園の方も、子どもが小学校に上がったら仕事を再開しようと考えている方も気になりますよね。
さいたま市の学童、大変って聞くけど…?漠然とした不安がある方も多いのではないでしょうか。
充実した自治体に比べると、さいたま市の学童(放課後児童クラブ)は保護者にとって厳しい体制となっています。
でも、事前に情報を知っておけば、早めに動いたり対策したりすることはできます!
このシリーズではさいたま市の学童(放課後児童クラブ)の情報をまとめてお伝えしていきます。
この②では、さいたま市の3種の学童(放課後児童クラブ)、「公設学童」「民設学童」「民間学童」の違いやそれぞれの詳細・先輩保護者からの声(プラス・マイナス)をお伝えしていきます。
さいたま市の学童(放課後児童クラブ)は3種類
さいたま市の学童(放課後児童クラブ)は、以下の3種類に分けられます。
公設 | 民設 | 民間 | |
指導料(月) | 原則8,000円 おやつ代実費2,000円 | 施設による 公設よりは高い (最大月+10,000円) 入会金・その他がある場合も | 施設による サービスが充実してる分数万円~ ※安めの施設もある 入会金や各種オプション料金がある場合も |
運営 | さいたま市 (社会福祉法人さいたま市社会福祉事業団) | 市から委託を受けたNPOや社会福祉法人等 (実際に通っている保護者や、保育園等も運営している法人、その他が運営) | 民間企業や法人等 |
申込・選考 | さいたま市 | 各施設 | 各施設 |
施設数 2023.4現在 | 74施設 (今後増えないとされている) | 235施設 | 不明 (市はノータッチ) |
時間 | 授業のある日 放課後~19時 授業のない日 8時~19時 | 施設による | 施設による |
休み | 日祝・年末年始(12/29~1/3)・市長が特に認める日 | 施設によるが公設に準拠? | 施設による |
保活時はさいたま市に申し込んで市から結果が送られてきましたが、学童の場合それは公設のみになります。
さいたま市の公設学童
さいたま市の公設学童は、さいたま子育てWEB掲載の公設放課後児童クラブ一覧PDFにある74施設です。対応小学校も記載されています。
マップで見たければ、さいたま子育てWEBの「保育施設・あそび場を探す」から、「放課後児童クラブ」や「区」をチェックして探せます。
施設の外観や詳細は、社会福祉法人さいたま市社会福祉事業団のサイトの施設検索 から見ることができます。(「放課後児童健全育成事業」にチェック)
公設がない小学校もある
あれ、さいたま市立小学校は104校なのに、74施設?
そうなんです。公設学童がない小学校もあります。重複を除くと31校には対応する公設学童がありません。
特に旧大宮市は、合併前から公設学童体制ではなかったため、現在も旧大宮市地域には公設学童が少ないんだそうです(合併から22年経っていますが…)。
さいたま市は今後も公設を増やす気はないようです。
別の校区の希望も出せるが…
では、別の校区の学童には行ける?
原則、通学区内のクラブをご利用ください。特別な理由がある場合は各区支援課までお問合せください。
さいたま子育てWEB「学校区と違う放課後児童クラブに通うことができますか?」より
とサイト上には書いているのですが、
入室申込書には、希望すれば第4希望まで書けるようになっています。
第1希望は基本的に自分の小学校の公設学童ですが、公設がない場合、近くの公設学童を書くことも可能とのこと。
ただ距離もありそうだしどうやって登室するの?そもそも倍率が高いので他の小学校からでも大丈夫なの?他にもこの公設学童でそういう子いるの?など、気になる方は各区の支援課に実情を確認ください。
「通所を考えると原則学区内のほうが安全、休校日(振替休業)が各校異なり学区外だと学童が対応できなくなることもある」という先輩保護者のアドバイスもあるので、実態は各学童に確認を。
毎年選考・1年生までしかいられない地域も
公設学童は毎年選考があります。
1年生が一番指数が高く、学年が上がるごとに指数が下がるので、1年生が優先的に入ることに。⇒指数の話はまとめ④で。
6年生までいられることにはなっていますが、「うちの地域では1年生までしかいられない」という複数の先輩保護者の声も聞かれました。
2年生で民間・民設に行くなら最初からそちらに行くという選択をする方も、料金や保護者負担を考えると1年生だけでも公設に行くという方も。
先輩保護者からの情報
先輩保護者のみなさんからの情報です。プラス・マイナスに分けてお伝えします。
施設によりますし、一部の保護者の声なのでご参考まで。正確な情報は各学童に。
さいたま市の民設学童
さいたま市の民設学童は、こちらのさいたま子育てWEB掲載の民設放課後児童クラブ一覧PDFの施設です(2023年4月時点で235施設)。
上のPDFに対応小学校も記載されていますが、この民設学童の中でもNPO法人さいたま市学童保育の会に所属している民設学童の一覧の記載内容は少し違い、対象小学校が2つ以上記載されている学童も。各学童に要確認です。
マップで見たければ、さいたま子育てWEBの「保育施設・あそび場を探す」から、「放課後児童クラブ」や「区」をチェックして探せます。
公式サイトがあり詳細を確認できる学童もあるので、学童名で検索を。
入学前の10~11月に行われる就学時検診で、小学校に対応した民設学童の募集チラシが配られたという方もいれば、何も情報をもらえなかったという方も。秋まで待たずに自分で情報を探しておくのがよさそうです。
民間学童を運営しているのはさいたま市から委託を受けたNPOや社会福祉法人等なのですが、子どもを通わせている保護者自身が運営しているNPOも…!?
保護者運営NPO学童の重い負担
さいたま市の民設学童のうち53.7%、公設学童も含めると40%にあたる121施設(2023年2月現在、その後数施設増えています)は、実際に通っている保護者がNPOとして運営しています。
全国の学童運営主体は父母会3.4%・NPO10.3%(うち保護者運営不明)なので、さいたま市の保護者運営率は他の自治体に比べると格段に高いです。(2022.12.5朝日新聞デジタル有料部分より)
その保護者負担が耳を疑うような内容なのですが・・・
※保護者運営学童でも当てはまらないことがあります
- 毎月の集金や未納対応、財務管理
- 指導員の募集と面接採用
- 施設修繕対応
- 移転・増設の際の物件探し
- 移転・増設の際の近隣住民への説明
- 新年度児童募集対応
- 各種事務手続き
- 頻繁な保護者会
これらを、仕事をしている素人の保護者が、家での時間・家族の時間をつぶして休日返上で、責任を負っている…!?
これらは大きい内容で、例えば「学童の土地を貸してくれている地主へのお中元・お歳暮対応」なんていう細かい仕事がある場合も。
このさいたま市の保護者NPO運営の民設学童が移転・増設する際に保護者が物件を探す問題、2022年12月に朝日新聞と東京新聞が記事にしています。
子どもの転入数が8年連続全国1位のさいたま市、2030年まで保育園需要は増加する(ということは学童はもう数年後まで?)と算出しています。
また、>>さいたま市学童保育連絡協議会さんのyoutube動画によると、規模の大きい民設は分離(増設)しなきゃいけない流れもある…?
とすると、学童増設の物件探しで苦しむ保護者がまだまだ生まれるわけですよね・・・さいたま市、早く責任もって施設整備して!
これも、「保護者運営の民設はイヤ」と避けることはできず、通う予定の小学校に対応した民設学童が保護者運営かどうかによります。
しかし次にお伝えしますが、保護者運営学童にはプラスの面や「思っていたほど大変ではなかった」という声もあります。恐れすぎず…!
保護者運営NPO学童にはプラスの面もある
保護者運営学童の重い負担ばかりあげてしまい、「絶対入りたくない!」と思われた方もいるかと思います。すみません、筆者もその一人でした。
こういった情報が上がってきやすいのはやはりマイナスの面で、マイナスを感じていない人はそもそも声を上げないので、プラスの面はほかの人の耳に入りにくいです。
なので、長く保護者運営学童に携わり、ご自身のお子さんも保護者運営学童に6年間通っていた方から、プラスの面を伺ってみました。
保護者会運営は子ども達の過ごす環境を保護者自ら作り、守ることが最大のメリットだと思っています。
例えば最近では小学校にタブレット学習が導入されましたが、学童内のネット環境はそこまで整っていません。
そこで保護者会で話し合い、環境を整えることを選択した学童もあれば、トラブル対応に指導員が対応できないことや子ども達の過ごし方を考えてタブレットは学童では使用しないことを決めた学童もあります。
そもそもそこまでタブレット学習が進んでいない小学校区もあります。
学童内の日曜消耗品や教材、おやつ、行事費などは全て保護者会費から出し、決算も保護者会で行います。
ですので「何に使っているかよくわからない費用」というのはほぼないです。
指導員と関わる機会が多く、指導員が子ども達のためにどんなことをしているかわかります。
保護者会の活動の関わりの中で、自分の子どもがどんなお友達と仲が良く、その子はどんな子なのか、そしてその保護者さんがどんな方なのか知ることで安心を得られたり、不安な点を指導員に相談できたりします。
私は県外から引っ越してきたので周囲に知り合いはないため、貴重な情報源でした。
日常仕事をしていると近所のママさんとの繋がりはないので、例えば「PTAの○○って大変?」「子どもの習い事って何かしてる?」みたいな些細なことも聞く相手がいませんでしたが、保護者会の集まりの帰りなどの雑談で教えてもらいました。
そういった意味では孤立しやすいワーキングママの心のよりどころになれると思っています。
いかがでしょうか。筆者は保護者運営学童に対して見方が変わり、プラスの面を感じました。
だからこそ、さいたま市には保護者運営民設学童の運営に関する諸業務の軽減ができるようにしてほしいし、移転増設先の確保などはさいたま市が責任をもってほしいです。
下の項目「先輩保護者からの情報(プラス・マイナス)」にもありますが、プラスの面を感じている方、保護者運営でも負担をそこまで感じていないという方もいます。
先輩保護者からの情報
先輩保護者のみなさんからの情報です。プラス・マイナスに分けてお伝えします。
施設によりますし、一部の保護者の声なのでご参考まで。保護者運営かそうでないか、保護者運営でも移転増設の時期だったり担当する係などによっても負担感が異なります。正確な情報は各学童に。
小学校敷地内にある民設もある・増えてはいる
民設でも、小学校敷地内にある施設もあります。(保護者運営かは不明ですが)
こちらのさいたま子育てWEB掲載の民設放課後児童クラブ一覧PDFの住所欄に、「〇〇小学校内」と記載があります。
空き教室がないとか、建築基準法がどうとか、敷地内に学童を整備できない理由を聞きますが、できるところは早く小学校敷地内への整備を進め、できないところは市が責任をもって整備して、前述の「保護者自身が物件を探す」というような体制を終わらせてほしいです。
さいたま市の2023年度予算案によると、小学校敷地内に整備される・計画されている民設学童はあります。
が、前年度から予算は増えてないんですよね(微減)。
毎年決まった予算内で整備、なんてしている間に毎年新たな学童には入れない子どもが増産されていくので、何回も言いますが、さいたま市早く整備して!!
複数ある場合は?別の校区は?
小学校によっては、対応する民設学童が複数ある場合もあります。逆に、1つの学童が複数の小学校に対応していることも。
「〇丁目の子どもはこちらの学童」と決められている場合もあれば、「複数申し込める」という学童も。
別の校区の方が近い、こちらの民設は落ちる可能性があるから別の校区も申し込める?など気になる方は各学童に確認ください。
「通所を考えると原則学区内のほうが安全、休校日(振替休業)が各校異なり学区外だと学童が対応できなくなることもある」という先輩保護者のアドバイスもあるので、実態は各学童に確認を。
さいたま市の民間学童
民間学童は、手厚いサービスがあったり習い事もできたりする、企業等の民間が運営している学童です。
さいたま市の委託を受けて運営している「民設」とは違うもので、さいたま市はノータッチなので一覧などにはなっていません。
民間学童の情報収集方法
じゃあどうやって探すの…?先輩保護者に聞いてみました。
- 「さいたま市・地域名・駅名・小学校名・区名 + 学童・民間学童」 などでネット検索
- Google map
- 上の子がいるママ友・保育園の同級生ママ
- 10~11月ごろの就学時検診時に学校の門の外でチラシを配っていた
- 家のポストにチラシが入っていた
- 近所で通りかかりに見かける
- バスを見かける
いつ探す?予約金は?
いつ探す?秋の就学時検診まで待つべき?予約金はかかるの?
先輩保護者からは、人気の民間学童は早々に埋まってしまうので早目の検討を、という声が聞かれます。以下、一例です。
- 早いところは6月から説明会開始
- 説明会は秋だったが、夏に説明会予約が開始。早々に埋まっていた
- 8月に説明会申込、9月に数件見学して比較した
- キャンセル待ちすらできず受付終了になるところも
- 曜日ごとに定員がある施設もあるので、週5で通わせたいなら早めの予約がおすすめ
- 保育園からの持ち上がりで入れるタイプで一般募集は行われなかった
- 2月に公設の結果が出てからキャンセルの動きもあるが、キャンセル待ち人数が多いと順番が回ってくるかはわからない
サイトに記載がなく説明会や見学に行かないと教えてもらえないことがあったり、参加しないと入室予約ができないところもあったりと、説明会・見学への参加はした方がよさそうです。
民間学童を押さえておいて、公設・民設の結果待ちをする場合の予約金は?
予約金の有無、入室しなかった場合の返却の有無は、やはり施設によるそうです。
先輩保護者からの情報
先輩保護者のみなさんからの情報です。プラス・マイナスに分けてお伝えします。
施設によりますし、一部の保護者の声なのでご参考まで。正確な情報は各学童に。
サービスが手厚い分、やはり料金も高いです。
「高いけど数年の我慢かな」と割り切れるかは、家庭によりますよね。きょうだいもいるとさらに負担が大きくなります。
また、公設民設ともに行けなくて「仕方なく民間」という選択肢となった方にとっては、さいたま市が学童を適切に整備していれば出さなくてもいい月数万円の出費となります。
記事内でもたびたび出てきますが、「地域・小学校・学童」によって状況が全く変わります。
ご自身が必要とする正確な情報は、在住区の区役所・お子さんの通う予定の小学校・その小学校に対応した学童に確認するしかありません。
さいファミ!筆者はまだ保育園児の保護者ですが、自身で調べた・電話して確認した情報や、実際にさいたま市の学童に通っている先輩保護者のみなさんに教えていただいた情報やアドバイスを例としてまとめ、共有していきます。
暫定版とし、今後も追記・修正していきます。(先輩保護者のみなさま、気になる点・追記修正したら良いと思われる点がありましたら、ぜひTwitter・InstagramのDMや、このサイトのお問い合わせからお寄せください!)
また、さいたま市の学童の体制自体には問題があると筆者は思っていますが、さいたま市の学童に関わる関係団体・職員のみなさん、子どもたちに関わる指導員のみなさんは、こういった苦しい状況の中でもより良い学童とすべく毎日手を尽くしてくださっており、感謝をお伝えしたいと思います。
大切なお子さんが放課後を安心して過ごせますように。保護者のみなさんも安心してお仕事ができますように。
さいたま市の学童関係の記事はこちらにまとめています!
おすすめ記事
お気づきの点がありましたらコメントいただければ幸いです