小1の壁にもなる学童問題。今保育園の方も、子どもが小学校に上がったら仕事を再開しようと考えている方も気になりますよね。
さいたま市の学童、大変って聞くけど…?漠然とした不安がある方も多いのではないでしょうか。
充実した自治体に比べると、さいたま市の学童(放課後児童クラブ)は保護者にとって厳しい体制となっています。
でも、事前に情報を知っておけば、早めに動いたり対策したりすることはできます!
このシリーズではさいたま市の学童(放課後児童クラブ)の情報をまとめてお伝えしていきます。
この③では、さいたま市の学童(放課後児童クラブ)の倍率や待機児童、国や他の自治体の動き、保護者目線以外の問題点について、お伝えしていきます。
さいたま市の学童、倍率は?入れるの?
さいたま市の学童、倍率はどうなの?入れるの?
地域・小学校・施設によって違います。後述しますが、ご家庭の指数にもよります。
民設・民間は、各施設にお問い合わせを。
こちらは、公設学童の2023年2月一次選考結果です。2022年と比較します。
(左:2022年、右:2023年)放課後児童クラブの一次選考結果について(さいたま市Webサイト)より
2022年より申込者数が200人増えていますね。公設学童の数は増えないので、承諾者数はほぼ変わらず、申し込みが増えた分、不承諾も200人増えています。
不承諾となった後、二次選考・辞退が出て入れた・民設に行くことにしたなどの方もいるので最終的な待機児童数は減りますが、2022年より2023年の待機児童は増えそうな感じがします。
西区・北区・大宮区・見沼区と旧大宮市地域の申込者数が少ないのは、②で触れたように、そもそも公設学童の数自体が少ないからです。
1年生の6人に1人は公設不承諾・2年生以降は継続できない地域も
1年生だけど公設学童不承諾となった方も6人に一人、400人弱いますね。
2023年2月、SNS上でも、さいたま市の保護者による「公設落ちた」の声を散見しました。
yahooニュースにも、さいたま市の公設学童不承諾となった方が取り上げられました。記事はこちら。
また、「うちの地域は倍率高すぎて公設は1年生しか入れない」問題。
前述の表では区ごと・学年別のデータしか見ることができませんが、各区の支援課に問い合わせると、希望する公設学童の承諾不承諾の具体的な数字を教えてもらえます。
筆者も問い合わせてみると、倍率が高いことから民設との併願を勧められました。
「2年生以降も継続できるのか」実際のところを聞くこともできるので、まずは各区の支援課に問い合わせることから、学童の検討が始まりそうです。
さいたま市の学童の待機児童
さいたま市の学童の待機児童は?
公開されている最新(2022年まで)のものですが、さいたま市の学童待機児童は政令市でワースト1ということです。
2022年(令和4年)増えてますが、令和3年の減は純粋な減ではなくコロナによる利用控えという見方もありそうです。
前述の一次選考では2022年は1,602人が不承諾に。その後二次選考・辞退が出て入れた・民設に行くことにしたなどの方もいるので数字は減り、最終的な待機児童数として出たのが、この340人です。
2023年2月のさいたま市議会では、市議により「さいたま市の待機児童数は2022年全国ワースト3。実態はこの数字以上」という発言もありました。⇒市議会を記録した記事
待機児童の算出方法は?そもそも公設基準の人数
この待機児童数の算出方法について、さいたま市のWebサイトで公開されていないので、子ども未来局放課後児童係に電話で問い合わせました。すると、
公設学童を不承諾となった人から、
民設に行った人を除き(←わかる)
民設の空き人数を除く(←!?)
民設の空き人数を、待機児童数から除いている…?なぜその数字を抜く…?
電話口では齟齬があるかもしれないので、今後、初めて情報公開請求というものをしてみたいと思います。
「民設に行った人を除く」は、民設から提出された一覧と突き合わせているそうです。(おつかれさまです!)
また、民設学童はさいたま市が運営を委託しているので「公設に落ちて民設に入った人」を追うことができるのですが、民間学童はさいたま市はノータッチです。なので、この待機児童から「公設に落ちて民間に行った人」の数字は除かれていません。
さらに、この数字は「公設学童を不承諾になった人」を起点としている数字というのも重要ポイントです。
さいたま市の小学校104校のうち、公設学童がないのは31校。さいたま市の学童全体数のうち、公設学童は25%しかありません。
公設がない地域の方はどういう状況にあっても「待機児童」にすらカウントされず、本当に正確な数字は誰にもわかりません。
さいたま市の学童がこういう状況なので、学童を利用すること自体あきらめて申し込みをしなかった方もいるはずです。
こういったところが前述の市議の「実態はこの数字以上」にかかるところと思います。
他の自治体の学童もこんなに大変なの?⇒そんなことはありません
他の自治体の学童もこんなに大変なの?
そんなことはありません。
「親の就業状況にかかわらず、希望する家庭や子どもが放課後安全に小学校敷地内で過ごすことができる、定員もないので落ちるということがまずありえない、しかも無料や格安」という自治体もあります。
こちらわかりやすい資料です。
「利用ニーズに迅速に対応可能な民設学童の整備で待機児童解消」と公設学童を増やさず、保護者運営NPOの保護者たちが物件や指導員を自分たちで探して学童をなんとか増やしてきた歴史が…他の自治体との差も。
さいたま市が有効な対策を打たず大きな転換もしないまま保護者任せできたので、政令市ワースト1・全国ワースト3というような状況になっています。
そしてここにきて、ようやくさいたま市も動き出しました。(次の項目で!)
【New】さいたま市の学童問題が進展!?放課後子供教室との一体型を進めることを明言
そんな中ですが、ついに!さいたま市の学童問題が進展する動きが。
国も推進し他の自治体でも運用されている「放課後子供教室との一体型」を進めていくことが、2023年2月のさいたま市議会予算委員会で明言されました。
前述した、他の自治体で「親の就業状況にかかわらず、希望する家庭や子どもが放課後安全に小学校敷地内で過ごすことができる、定員もないので落ちるということがまずありえない、しかも無料や格安」として運用されているものです。
※さいたま市はこれから検討状態なので、このような他の自治体と同じ運用になるかはわかりません。
一日でも早い運用開始を希望します。
ただ、いつから始めると明言されておらず、一体型の運用ですべての問題が解決するというものではないので、今後も注視していきたいと思います。
委託金が足りない・深刻な人手不足…「さいたま市学童保育連絡協議会」2022年陳情内容
「さいたま市学童保育連絡協議会」さんは、毎年のように学童の改善について署名を集めて陳情書を提出しています。以下は2022年の画像です(2022年の署名活動は11月末で終了しています)。
筆者が今回記事にしているのは保護者目線の話ですが、それだけでなく、委託金が足りない、深刻な人手不足、職員や指導員の先生方の処遇改善など、様々な問題があります。
>>市連協さんのyoutubeでは、詳しい内容が動画で解説されています。
※さいファミ!は市連協の関係者ではありません(市連協さん、画像とyoutube直リンクのご許可ありがとうございます)
記事内でもたびたび出てきますが、「地域・小学校・学童」によって状況が全く変わります。
ご自身が必要とする正確な情報は、在住区の区役所・お子さんの通う予定の小学校・その小学校に対応した学童に確認するしかありません。
さいファミ!筆者はまだ保育園児の保護者ですが、自身で調べた・電話して確認した情報や、実際にさいたま市の学童に通っている先輩保護者のみなさんに教えていただいた情報やアドバイスを例としてまとめ、共有していきます。
暫定版とし、今後も追記・修正していきます。(先輩保護者のみなさま、気になる点・追記修正したら良いと思われる点がありましたら、ぜひTwitter・InstagramのDMや、このサイトのお問い合わせからお寄せください!)
また、さいたま市の学童の体制自体には問題があると筆者は思っていますが、さいたま市の学童に関わる関係団体・職員のみなさん、子どもたちに関わる指導員のみなさんは、こういった苦しい状況の中でもより良い学童とすべく毎日手を尽くしてくださっており、感謝をお伝えしたいと思います。
大切なお子さんが放課後を安心して過ごせますように。保護者のみなさんも安心してお仕事ができますように。
さいたま市の学童関係の記事はこちらにまとめています!
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