さいたま市の5施設ある屋外市民プールの廃止・再整備計画が出ています。
2023年11月27日、パブコメを経て「さいたま市レジャープールのあり方方針」として資料が上がっているので見ていきます。
大和田・沼影・原山・下落合・三橋はどうなる?
2023年現在のさいたま市屋外市民プール5施設
2023年現在、さいたま市の屋外市民プールは5施設です。
施設名 | 住所 |
大和田公園プール | 大宮区寿能町2-519 |
三橋プール | 西区三橋6-1709-3 |
下落合プール | 中央区下落合5-11-10 |
原山市民プール | 緑区原山2-33-7 |
沼影市民プール | 南区沼影2-7-35 |
【さいたま市屋外市民プール廃止再整備計画】大和田・沼影・原山・下落合・三橋どうなる!?
このさいたま市の屋外市民プール5施設について、廃止・再整備する「レジャープールのあり方方針」の確定版が2023年11月27日に出たので、資料を見ていきます。
これに基づき検討された結果↓↓
一番大きい大和田公園プールは残される案です。
小さめけど流れるプールもある三橋プールは廃止(公園などに再整備)の案になっています。
沼影市民プールは今シーズン(2024年3月末)で屋外プールとアイススケート場が廃止になり、同場所には小中学校9年間の教育を一貫して行う義務教育学校が設置される予定となっています。
沼影市民プールの屋内プールは移転されますが、屋外市民プールについては「代替施設の新設を優先して検討」する案となっています。(が、まだ検討段階です)
スライダーもあり人気の原山市民プールは、リニューアルをあわせて検討という書き方はされています。
しかし、「南部エリアを1施設に集約」「まずは沼影の代替新設を優先して検討」ということで、原山市民プールを「プールにしない場合は親水機能を有した身近な公園に再整備」したいのでしょう。
下の方針概要版の図でも、「沼影を新設、原山は公園」のパターン1が総合評価〇、「沼影を廃止、原山をプールとしてリニューアル」のパターン2は総合評価△となっています。
さいたま市レジャープールのあり方方針(PDF・概要版ではない方)によると、原山市民プールは駐車場がないので広域利用が見込めないこと、今までの沼影市民プールの利用者の分まで収容できないということがネックのため、プールとして残すのであれば、広域利用できる施設にリニューアルする必要があるようです。
また、下落合プールは近隣の中央区役所含めた一帯に「公共施設再編計画」が出ており、2031年中に全体整備の終了が目指されています。それにあわせて「屋内プールは継続(複合施設内に再整備)、屋外プールは廃止」という案になっています。
パブリックコメントを経て何が変わった?⇒何も変わりませんでした
この「レジャープールのあり方方針(案)」は、2023年7月3日~8月3日パブリックコメント(市民の意見集約)が行われていました。
パブリックコメントを経て何が変わった?⇒何も変わりませんでした。
パブリックコメントの内容とそれに対するさいたま市の見解が、>>「さいたま市レジャープールのあり方方針(案)」に対する意見募集の結果を公表します(さいたま市Webサイト) として2023年11月27日に公開されました。
以下、意見提出数710件(名)、意見項目数は905件という、他のテーマではあまり見ない件数になっています。
修正項目数は35。
>>「さいたま市レジャープールのあり方方針(案)」に対する意見募集の結果(PDF)を見ていきます。
※このPDFは2023年12月27日で公開終了となります
何が変わったかというと、修正点35件のうち33件はこちらです。残り2件は本筋とはあまり関係のない内容です。
720円の値上げは受益者負担割合を50%に仮定した場合の試算結果であり、本方針(案)では、「施設の魅力度が向上する場合は、民間事業者の意向を踏まえ利用料金の改定を検討する」としているため、値上げ金額を確定しているものではありません。
一方、720円の値上げが確定しているように解釈され兼ねない「新設・更新の際に受益者負担割合50%での値上げで検討する」との表記については、「あくまで試算として、新設・更新の際に受益者負担割合50%での値上げで検討する」と修正しました。
「さいたま市レジャープールのあり方方針(案)」に対する意見募集の結果(PDF)より
「値上げ金額は確定していません、試算です。誤解されるので文言修正します」というだけで、何も変わりませんでした。
さいたま市屋外市民プール廃止再整備計画のスケジュール
さいたま市屋外市民プール廃止再整備計画のスケジュールです。
- 2023年6月16日 さいたま市議会まちづくり委員会の報告資料として提出
さいたま市議会の文書一覧 - 委員会 - 令和5年 - まちづくり委員会 - 6月定例会 - 6月16日 - 09-1_R050616報告(レジャープールのあり方方針について) - 2023年7月3日~8月3日 パブリックコメント(市民の意見集約)
- 結果公表予定が9月→12月→11月と変動あり
- 2023年11月27日 レジャープールのあり方方針公表
今後のスケジュールについては、「各施設の個別の検討」ということで、さいたま市レジャープールのあり方方針(PDF・概要版ではない方)にはまだ今後の詳細は掲載されていませんでした。
廃止されていく埼玉県の自治体運営屋外プール
さいたま市では以前から「レジャーのための市民プールの在り方を検討」という話が出ており、2022年の夏季プール開催時には利用者に向けてアンケートがとられていました。
(市民アンケートはパフォーマンスで、さいたま市としてはすでに廃止再整備する気で動いていたと思いますが)
近年、埼玉県内各自治体や県営プールも廃止が相次いでいます。
近くだと川口市立グリーンセンターの流水プールが2021年度に廃止となりました(最後の営業はコロナ前の2019年9月1日)。
また、埼玉県営の4つの水上公園のうち、上尾市のさいたま水上公園プールも50周年となる2022年3月末に閉鎖となりました。
NHKさいたま放送局(2022年9月29日の記事)によると、2019年には埼玉県内の自治体が設置する屋外プールは31、2023年までに10のプールが廃止・閉鎖、4つのプールが老朽化で休業、という状態だそうです。
このコロナ禍の3~4年の間に、埼玉県内の自治体運営の屋外プールはほぼ半減・・・
廃止される際の理由は「老朽化+維持修繕費+利用者の減少」で、今回のさいたま市も同様です。
利用者の減少は少子化なので当然ですが、こうやって少数派となった子どものための施設やサービスは縮小されていくんでしょうね・・・
お気づきの点がありましたらコメントいただければ幸いです
パブリックコメントの公表がなぜ伸びたのか、数くらい分からないのかなどと説明会で出席した市民から総攻撃食らっていました。
しかし、市の担当者は教えてくれませんでした。
相当たくさんの意見があったものと推測できますが、市民の同意があると確認できるまでは設計含めて予算に計上すべきではないですね。
勿論反対多数なら学校やめるべきです。
出席者みんな同意見と思いますよ